FMVME6/755をグレードアップしてみる。

 FMVME6/755は2001年春モデルとして発売された廉価モデルで、AMD社のCPU「Duron750MHz」を搭載。チップセットは廉価モデルらしくVIA社の「KLE133」を使用したマイクロタワーのPC。このPCはHDD、メモリ、CD−R等を抜かれたドンガラの状態で貰って来た物で、私の手によって復活させられて様々な人の手を転々とする哀れなPCだ。今回、電源スイッチ入らないというトラブルで私の元に修理のために帰ってきた。

ノーマル 現状
CPU Duron750MHz
チップセット KLE133
ビデオカード チップセット内蔵 RADEON7200(PCI)
メモリ PC133/CL3 128MB PC133/CL2 256MB
HDD 40GB/ATA66 80GB/ATA100
光学ドライブ NEC CD-R/RW Plextor CD-R/RW
光学ドライブ Pioneer DVD-ROM
モデム AMR 56kbps
LAN Planex FMW9803
サウンド Cirrus Logic社製 Crystal CS4281

 既に性能強化を施されていたFMV。個人的に忌み嫌うKLE133のビデオ機能を殺すためにPCIバスにRADEON7200を挿してあり、メモリ帯域の確保とグラフィック描画能力の強化が施されている。CPUは元々廉価版でも性能的にマシな部類に入るDuronが入っているので、DVD再生も3Dゲームもそれなりにこなす。ビデオカードを挿すだけで全く性能が変わってしまうのが廉価版PCの特徴。

 早速修理にとりかかる。元々電源スイッチの接触が悪かったので恐らくそのあたりだろうと踏んでいたが…甘かった。スイッチは正常。スイッチのケーブルを外して直接コネクタをショートさせてもウンともスンとも言わないが、電源ユニットは正常。で、ちょっと考える。「このまま調査を続けるだけの価値がこれにあるかなぁ…」まさにメーカー的発想。修理するより代替品を渡した方がコスト的に節約できるという価値基準。ただメーカーと違うのはマニア的な改造欲からくる発想であるという点。
 早速、日本橋へ直行。マイクロタワーに入るサイズのマザーボードを探す。最近の傾向として、縦サイズは小さくても横サイズが広いものが多い。それらは避けないとケースに入らないので意外と苦労する。が、PCワンズで素晴らかしい特売品に出会う。「KLEマザーボードとMobile Athlon1100MHzがセットで6980円」というもの。マザーボードの予算でCPUまで買えてしまった。何よりこの異常な低価格の怪しい香りに誘われたのが一番の理由だとはとても人前では言えない。期待するのは価格以上の性能よりも、これから起こり得る数々のトラブルであるなどと口が裂けても言えない。Athlon系は異常なまでの発熱が問題ではあるが、MobileAthlonなので問題なかろう、と安易に考えてウキウキ(死語)で帰路につく。

・マザーボードの製品プレビュー

JETWAY社製861CS
 JETWAY社は低価格路線のみを追求するB級メーカー。でも製品はちゃんと動くので、ノーブランド扱いにはならない。一応国内代理店のサポートも行っている。で、この861CSというマザーボードはVIA社のKLE133チップセットを搭載するマイクロATXマザーボード。FSB266/200MHzのCPUをサポートし、PC133/100のSDRAMメモリスロットが2本、PCIスロットが3本、AMRスロットが1本になぜか今更ISAバスを1本用意されている。IDEはATA100を2ポート、FDDを1ポート搭載。オンボード機能は安っぽいオーディオチップが載っているだけのシンプルなマザー。しかし、倍率変更がジャンパピンで行うという邪魔臭い点が安物の宿命か(この点を喜ぶ人間もいるが)。

 早速仮組みをしてみる。ケースに入らないと話にならないからだ。しかし、以外にもアッサリ入ってしまう。メモリもCPUも他の物と干渉することなく装着が可能だ。つまらん。
 入れ替えたマザーボードと比較してみる。よく見たら上下逆じゃんか…。
 実はマザーボードのサイズは小さくなっている事に初めて気付く。元々付いていたマザーボードを良く見ると、こっそりとギガバイト社のマークが。ギガバイト社は大手一流メーカーなので、この点は大きくグレードダウンという所か。チップセットは変わらないので性能的には変化無いんだけどね。
 今回、マザーに付いてきた(?)モバイルアスロンがコレ。見た目は通常のアスロンと変わりないのだが、中身も大して変わりない。というか、基本的には同じ物。
 中心にある紫に輝くものがコアで、アスロンはこれが簡単に欠けてしまう。怖い怖い。
 今回、最も苦労したのはスイッチコネクタの改造。富士通独自のコネクタをちょん切って、バラのコネクタを半田付け。丹念に1本ずつ絶縁チューブ(加熱すると収縮するチューブ。ヒシチューブとか呼んでた記憶が…)で絶縁する。
 全部作業が終了してから気付く。うち2本はメールランプという謎めくLED用の配線なのでこんな手間をかける必要なんかなかったのだ。脱力。
 これがスイッチとLEDランプのボード。右から電源スイッチ、電源LED、HDDアクセスLED。そして一番左のLEDがメールランプ。メールが来たら光るらしい。知るかそんなもん。
 配達時(何してるねん)に慌てて撮った写真なので変な写真になってしまったが、バックパネルの写真がコレ。メーカー系にしては珍しく、ATX規格に沿った形状だったのですんなり装着。右の拡張スロットに見えるカラフルなコネクタが並んでいるのはサウンドボード。AOPEN社製のCobra AW850で、安価だが一応5.1chサウンドに対応している。オンボードのチップよりはマシな音なので装着。でもスピーカーがヘボいんだよなぁ。

 今回のグレードアップはマザーボードというよりはCPUのグレードアップになった。が。問題が発生。PCIスロットにビデオカードを装着すると相性が発生して動作しなくなるのだ。製品間の相性問題かと思って、わざわざPCIバスのビデオカードを購入してきたのにそれもダメ。散々悩んで試行錯誤するも解決しなかったため、実はトータルパフォーマンスとしてはグレードダウンしてしまった。異常に安価なパーツにありがちなオチであった。できればもっと別のトラブルがよかった。

修理前 修理後
CPU Duron750MHz MobileAthlon1100MHz
チップセット KLE133
ビデオカード RADEON7200(PCI) チップセット内蔵
メモリ PC133 256MB
HDD 80GB/ATA100
光学ドライブ Plextor CD-R/RW
光学ドライブ Pioneer DVD-ROM
モデム AMR 56kbps
LAN Planex FMW9803
サウンド Cirrus Logic社製 Crystal CS4281 AOPEN AW850