VAIO PCV−R30を改造してみる(妥協編)

 戴き物のVAIO。Rシリーズは1999年夏モデルとして発売された廉価モデル。この時代の廉価版PCは、まだ統合型チップセットが蔓延していないのでグレードアップが比較的容易となる。このR30にしても、チップセットは伝説的名チップとして異常なまでの長期間市場に出回っていたIntel社の440BXを使用している。440BXはPentiumU用のFSB100MHz対応チップセットとして登場した古いものだが、PentiumU233MHzからCeleron1.4GHzまで幅広いCPUをサポートする(マザーボードによって制限はあるが)。今回のR30は倍率10倍制限というものがあるため、FSB100MHzに最高10倍、つまり1GHzまでのCPUしか搭載できない。

  ノーマル
CPU Celeron466MHz
チップセット 440BX
ビデオカード Rage128VR(AGP/8MB)
メモリ 64MB
HDD 10GB
光学ドライブ CD-ROM
モデム 56kbps
サウンド Aureal Vortex2(AU8830)

 ノーマル状態でも、メモリ拡張とHDDさえ換えてしまえば通常用途では充分に使い物になる。HDDに関しては、この時代のものは決定的に遅く、Windowsやアプリケーションの起動に時間がかかるのでストレスを感じてしまう。HDD交換は起動速度向上の決定打である事はあまり知られていない。しかし、それだけでは楽しくないので今回は低予算でどこまで快適にできるかを追求してみる。

 初心者にはオススメしない中古パーツをふんだんに使った拡張作戦を展開する。目指すは日本橋じゃんパラ(ジャンクパラダイスとは言え普通の中古パーツも扱っている)である。中古パーツは在庫がなければ相場がこなれていても何の意味も持たない。現場に並ぶ品物からしか選べないが、いい物を見つけた時の感動は新品には無い悦びである。
 大阪日本橋にあるじゃんパラは3店舗ある。実際に足を運ぶのは日本橋2号店と日本橋3号店の2店舗だけ。いや、ウロウロするのはしんどいねん。泣き言はともかく、その2店舗だけでもいい物は揃う。とりあえず、ゲットしてきたものを並べてみる。


まずはCPU。今回入手できたのは初代PentiumBのカトマイコアを搭載した600MHzモデル。4680円なり。冷却用のヒートシンクを放熱性を重視した巨大なアルミのフィン形状にしてファンレス化がしてある。今回のVAIOはCPUの真上に風量の大きい電源ユニットが設置してあるのでファンレスでも安心。カトマイコアのPentiumBは450MHzから600MHzまでしか存在しない。動作電圧は2.0Vなので旧システムでも安心して使える(PentiumUの後期モデルやメンドシーノコアのセレロンは動作電圧2.0V)。
カトマイコアはまだ二次キャッシュメモリがオンダイ化されていないのでシートシンクを外すとカートリッジ上にメモリがどーんと鎮座している。この後に登場するカッパーマインコアのCPUからPentiumBもに字キャッシュメモリはオンダイ化されるが、256kバイトになってしまう。カトマイコアは倍の512kバイトを搭載するが、メモリの動作クロックがCPUの半分というややこしい状態。ま、SSE命令もサポートしている(でも、この低クロックでは・・・)ので細かい事は無視無視。
このLANカードはインテルのi82558を搭載した10BASE-T/100BASE-TX自動切換の物で、一昔前の標準的LANカード(NICとも呼ぶんだけどね)。CPUの占有率も低い賢いチップ。今はギガビット時代とはいえ、こんな値段で買えるんですねぇ…。
ATi社のRADEONのメインストリーム向けチップ「RADEON LE」を搭載したビデオカード。「LE」の名称はクロックダウン版に付けられる。これもその一つで、動作クロックを2割ほど落としてHYPER-Zを無効化してファンレス化したもの。ちなみにHYPER-Zはドライバで有効にできるし、動作クロックも簡単に上げられる。今回はしないけど。
この10倍の価格で売られていた時期を知っているだけに、妙に喜んで購入。ま、PentiumB600MHzには少し勿体無い性能は持ってるし、値段も文句無し。
古いPCのBIOSでは大容量のHDDを認識できない。アドレスが桁落ちを起こすのだ。それの対策としてATAカードを経由するという手法がある。が、なぜか購入したのはIDE−RAIDカード。一応ATAカードとしての機能も持っているので問題は無いが…ワシというものが良くわかる買い物の一つだ。(T-T
ジャンクBOXにあった566MHzのカッパーマインコアのセレロン。当り前のように動かなかった。無念。近いうちにキーホルダーかなんかにしてやる。
YAMAHAのYMF744チップを搭載したサウンドカード。ハードウェアMIDI再生機能を持っているので、と言ってもMIDIなんか再生する事ないんだが…。4chサウンドをサポート。そういやヤマハってサウンドチップ事業から撤退したんだっけ?
LABWAYのXWAVEて昔は良く買いました。低価格で音も悪くない…とか言いながら、やっぱりサウンドブラスターに戻ってしまった軟弱なワシ。意外とデファクトスタンダードという言葉に弱い。

 帰宅して動作確認をしようと作業を開始した直後に重大な問題が発覚。PCIカードを3枚買ってきたのはいいんだけど、空いてるPCIスロットは2本なのです。無くても困らないサウンドカードは即効でお蔵入り。あばよブルージーン。
 各拡張カードは何の問題も無くサクサク装着。CPUもすんなり装着。メモリを手持ちの256MBに入れ替える。HDDも手持ちのSeagateのバラクーダW80GBに入れ替え。うふふ。

ノーマル 改修後
CPU Celeron466MHz PentiumB600MHz
チップセット 440BX
ビデオカード Rage128VR(AGP/8MB) RADEON LE(AGP/32MB)
メモリ 64MB 256MB
HDD 10GB 80GB
光学ドライブ CD-ROM
モデム 56kbps
LAN   Intel ExpressPro100+
サウンド Aureal Vortex2(AU8830)
FastTrack100 RAID

とりあえず起動ドライブがRAIDカード経由になるのでWindowsの再インストールから始める。これだけが面倒なんだよな…。で、何の問題も無くセットアップは終了し(つまらん)、早速ベンチマークから始める。結果は以下の通りとなった。

HDBench 3.30

ノーマル状態。
CPUの演算性能はHDBenchでは二次キャッシュ搭載差が出難いので、数字上では3割増程度と上昇クロックと同割合しか差が出ていない。これはHDBenchの計測方法上仕方の無い事なので余り参考にはしない。
メモリはアクセス速度が66MHzから100MHzに上昇しているため、結構差が出ている。特にメモリ書き込みのスコアは1.5倍にもなっている。
描画性能はテキメン効果が出ている。ビデオチップは1世代しか違わないが最も大きく変わったモデルなので、その性能差がこの数字差ということなんだろうねぇ…。
HDD速度が一番上昇率が凄い。4倍前後のスコアアップだ。これだけディスクアクセス速度が変われば体感できない訳も無いわ…。

 正直、ディスクアクセス速度に関しては自分でもびっくりした。このバラクーダWでさえ、随分と前の製品だというのに…ねぇ…。Windowsの起動時間のほとんどはWindowsのシステムプログラムの読み取り時間だ。単純計算で1/3程度だが、実際に測っていないために断言は出来ないものの…半分にはなっている。いや、ホント。
 今回は中古部品3点の他に、HDDとメモリを手持ちの物を追加した。これらは新品で購入しても1万円にはならない。今回は2万円以下で大幅なグレードアップが出来た、という事でガッテンいただけたでしょうか?でもCD−Rもついてないんじゃ…ちょっと寂しいか。

 という訳でつづく。